- 本小松石を私が好きな最大の理由はその独特の風合いです。一般的な石材はピカピカに磨いたその瞬間が最も美しく、だんだん輝きがなくなっていくのに対し、本小松石の場合、磨きたても綺麗なうぐいす色なのですが、日に日に赤茶色っぽく風化していき、磨きたてとは全く違う美しさを数十年後に見せてくれます。
- 当然その風化の仕方もその石ごとに違い、同じものはない世界に一つだけの石なのだと認識させてくれます。因みに金子家同様、関東の石屋さんのお墓はこの本小松石で建てられている方がとても多いそうです。
- 昔から石のプロに愛された石だと言うことですね。
- ただ、この石は非常に希少性が高くお墓の様に大きな石材を採るのがとても難しい石でもあります。左の2.岩肌写真をご覧下さい。縦横斜めに無数の亀裂が入っていますよね。これが入った部分は当然お墓には使えません。だから山から採石した石材の数パーセントしか墓石の製品には使えないのです。
- また、やっとある程度の製品にできる大きさが確保できたとしても、ここからがまた大変です。本小松石は同じ山の層から採った石でも色や石目が違ってしまうのが当たり前なのです。だから写真3.の様にたくさんの製品部材を作り、ストックしておいて棹・上台・中台・芝台と4段の石の色・石目が近いのを組み合わせてやっと写真4の様な一つのお墓として製品に出来るのです。
- だから一般的な石材と比較してどうしても価格も高くなってしまいます。しかしそれだけに唯一無二の存在であり、他にはない価値や喜びがこの石にはあるのだと思います。
- 是非、候補の一つに入れてみてください。
- 神奈川県の小田原市と湯河原市の間にある真鶴半島が産地です。
- 写真下の半島の先が鶴の羽ばたく姿に見えることから真鶴半島という名前になったそうです。箱根山の地続きで富士山もすぐ側の素晴らしいロケーションですね。